May 29 2008

ローマの役所仕事

こんにちは。海外ウェディングコーディネーターの林です。
Apostille2
今日(すでに日本は時間が変わっていますが)、
先日ローマ市庁舎で挙式を挙げられた方の
書類を日本でも通用するようにアポスティーユ手続きを行ってきました。
アポスティーユ手続きとは加盟している国同士が、
他の国でもその書類が通用するよう、証明をすること。
日本では外務省が一手にその仕事を引き受けていますが、
イタリアはその土地で発行した書類は、その土地のアポスティーユを
取らなければなりません。そのため、ローマ市庁舎での挙式の証明は
ローマの役所での手続きとなるわけです。
ただこのローマの役所は朝の9時からお昼の12時まで、しかも月・水・金曜日と限定。
そしてこの時間内に着くには、ある程度トラブった場合でも対応可能なように、
(市庁舎での手続きも得てして、この時間帯でしたので)
すっかりおなじみになった7:52のES(ユーロスター)に乗り、ローマへ。
テルミニ駅に着き、場所も不確かなので、時間を買うと思って、タクシーに乗ります。
が、どこまでも走り続け、このままなら空港に着いちゃうのでは?なんてメーターを睨みつつ、
さらに本当にこんな郊外でアポスティーユが取れるのだろうか。。。と
心配状態がマックスに達した時、無事指定の住所に到着。
確かに役所らしく人が大勢たむろしていて、それらしい雰囲気は漂っています。。。
インフォメーションでこの場所でよかったことを確認し、勇んで2階へ。
あ、この部屋だ。。。と思った矢先、廊下にすでに数人が待っていました。
あなたが列の最後尾の方ですか?と聞くと、いや、番号制だから。。。と。
番号?あ、本当だ、いわゆる日本の銀行のような待ち札があり、
それもイタリアでは珍しく機能している様子で、早速番号を取ると「80」
さて・・・と、電光掲示板に写されている番号を見てぎょっ、33番。
今日中に帰れるかな。。。なんて思っていたら、あれよ、あれよと言う間に
40番近くまで呼ばれている様子。なぁ~~~んだ♪たいしたことないじゃないっ。
なんて一安心すると、人間の常で今度は急に収入印紙のようなものが1枚でいいのか
一人不安になってきて、今のうち予備のものを買ってこよう、
でもこの調子だとすぐに順番が来てしまいそうなので早く行かなくちゃ!と
走って戻ってくると、まだ66番。あと14人。なんて高を括っていたら、
番号が呼ばれる度、窓口で揉めている。どうやら一つの番号を呼ぶと
同じ番号を持った人が2人窓口に来ている様子。
オフィスもうだるように暑いし、待たされていることもあって皆高圧的だこと。
「ちょっとシニョール、私が67番なんだけど!!」
「いや、俺だって67番だよ!」 窓口の人が「赤の札の人は次の67番よ」
ん?次の67番って?電光掲示板は順調に68,69と呼んでいる。
どうやら、一循環して(あと100人待って)次の67ということらしい。
もちろん、手元を見たら私も赤の札。えぇぇぇーー あと114人待つの??
そうよね、イタリアの役所でこんなにスムーズに行くわけないとは思っていたけど、
でも100人待ちなんて(涙)
こういう時、日本人はおとなしい。もちろん彼らが間違っているわけではないから、
おとなしく待つか、出直すか。でもイタリア人のおばさんはわかっていても
トライする。運がよければ、見つからずに手続きしてくれるかも。。。と。
結局ダメはダメだが、それがさらに時間をかけることになり、
他の待っている人にも最終的に迷惑がかかる。
そして、青の80番も呼び出され、やっと先着の100までたどり着いた頃、
今度は一人の男性が、「赤の16番が二人いるんだけど、どういうこと?
僕も16番だし、彼女も16番だし。」 オフィスが静まり返る。
役所の人はわからないのか、わかっているけど理解したくないのか、
答えたくないのか、飲み込むのにやたらと時間がかかる(もしくは時間をかける)。
訳がない、ただただ青・赤・別の色(最低でも青)という紙を番号札に入れておけば
よかったのに、青・赤・赤と入れたのだ。そのため、当初私が到着した時点で
150人待ちだったわけだから、当然、青がいなくなった今、
部屋の中に赤の番号が2つ存在することになる。
どうやって見分けるんだ?と詰め寄られた係員は「何時に着いたかを聞くのでご安心を。。。」
なんて幼稚な回答。その押し問答を見ていれば、(ずる)賢い人は
2時間前に着いたって答えるに決まっている。(今さっきなんて応えるはずがない)
もちろん本当に2時間前から待っていた人たちはそんな回答では納得がいかない。
そしてまたこの押し問答で窓口全面ストップ。誰も公に説明しないから、
野次馬が野次馬を呼び、そのたびに係りの人が説明する始末。
こーーーーーーれはダメだわ。。。と諦めた頃、一人の女性が、
先の番号札は赤が濃いわよ。どれ?あ、本当だ。目を凝らして見ればわかるほどの
違いだが、それが一筋の光明となり、一気に問題解決。
窓口で揉めるケースもあったが、その赤の濃さで何とか前に進みつつある。
そうこうしているうちに、11時半の番号札を配布クローズ時間が近づき、
どうやら私の80番台まではダブルにならなくて済みそうな様子。
ほっとしたのもつかの間、今度は11時半以降に来た客が番号札配布がクローズしていて、
金曜日出直してくださいと言われて怒り心頭!インターネットには12時までに
書類を持ってくるようにしか書いてなかった。番号が11時半までしか取れないなら、
そのように書いておくべきだ。納得がいかない、責任者出せ!
そこでまた窓口ストップ。
言いたいことはよくわかる、わかるけど・・・お願い、別の場所でやってください。。。
その後、12時以降からは役所自体もクローズ時間とあって、
60番台くらいから大きなトラブルなく、進み、いよいよ私の番!
はい、はい。トントントンとものの1分もかからないうちにあっけなく終わってしまった。
買った収入印紙も必要なし(なーーんだ)。隣の女性のは必要にも拘らず、
買ってこなかったらしく、その方にお譲りして帰ってきました。
フィレンツェの役所ではアポスティーユにさほど時間がかからないのですが、
ローマがなぜこれだけ時間を要するかというと、
イタリア在外国大使館で取り寄せた書類をイタリアで使おうとする場合も
このアポスティーユが必要で、その大使館が集中するローマはとりわけ
混むことになるわけです。私の場合は、イタリアの書類を日本に持ち帰るので、
あちらも特に確認する必要がなく、そのためあっという間に終わったわけです。
12時半には開放され、12:50のESに何とか滑り込み、14時半にはフィレンツェに
着いていました。そして遅いランチのお約束に何とか間に合いました。
今日もイタリアは暑かったですが、一番暑かった(熱かった?)のはあの役所の一部屋です。

© 2005-2024 le Maestro. All Rights Reserved.

本サイト及び弊社ブログに掲載されているお写真及び著作物は全てにおいて無断での引用・転載をお断りしております。必ず弊社にお問い合わせ下さいませ。