Aug 23 2009

イタリア人のパートナーと喧嘩・・・

こんにちは、海外ウェディングコーディネーターの林です。
今日はかなりプライベートなことですが、イタリア人の彼との生活について触れたいと思います。
「俺は毎日朝から晩まで働いているんだ!」この言葉に何度切れたことか。
日本の頑固親父のように彼はこの言葉を愛用している(というのがまさにぴったり)。
別に彼は怒っているわけでもないんだけれど、彼は本当に良くこの言葉を盾に使います。
確かに失業率の高いイタリアで、彼のような人にめぐり合えて、
色々なところに連れていってもらったり、週に一度はゆっくりとレストランで食事ができ、
大好きなアペリティーボも新しいところを開拓したり、色々贅沢はさせてもらっているけれど、
でも家で仕事をしているからって、オフィスにでかける人のように仕事をしていないわけじゃない。
私の彼はイタリア人にしては本当によく働く人で、
朝5時半に起き、夜の9時まで戻らない生活が週5日続きます。
夜中に緊急の電話がかかってくることもあり、
土日でも必要であれば、仕事に行くこともあり、日本人でもびっくりするほど勤勉です。
もちろん責任感も強く(強すぎる?!)、150人近くの部下の上に立つ立場上、
私から言わせればコントロールフリークな部分もあるほど・・・。
とにかくイタリア人の概念がひっくり返るほどの責任感と勤勉さです。
こんな生活をしていれば、もちろんスーパーに買い物に行ったり、
掃除や洗濯をするのは無理なのは誰もが承知できます。
掃除や洗濯は基本的には週1回 ルーマニア人のシニョーラにアウトソースしている
私たちはさほど問題がありませんが、スーパーに行くのはどうしても私にかかってきます。
私が仕事で出張(旅行)に出ている際は当然技術的に不可能であるから、
もちろんその仕事は免除されますが、それ以外は基本的に家で仕事をする身。
どうしても傍から見ると時間があるように思えるらしいのです。
イタリアのスーパーは日本のように従業員が手際よく働くわけでもなく、
小回りのきかない大きなカートを老人たちが押し、さらにはカート同士の
井戸端会議で話に花が咲いているその中を小さなかごを持って潜り抜けながら、
長蛇の列の中でどの列が一番早く進みそうか、値踏みをしながら並んだり、
いかに効率よく買い物を済ませるか、これが毎回の日課になってきます。
毎回献立を考えて、21時に帰宅する頃に食事を用意することは、
もちろん毎日オフィスに行く人に比べれば楽なように聞こえるかもしれませんが、
集中して仕事をすることがなかなかできないのです。
そして、8月。アウトソースしているルーマニア人のシニョーラが夏休みを取り、ことが起こりました。
9月は仕事でほとんど家を開ける私は、ウェディングのことで頭がいっぱい。
一方、毎日のように洗濯物が出て、海に行って洗濯物が出て、毎日洗っても洗濯物が減らないし、
染みをつけても、その場で言わないから、落とすのにすごく手間がかかったり、
綿シャツを好むイタリア人、アイロンも普段はシニョーラがかけてくれますが、
その人がいないのでたまっていくばかり。
いかにスーパーに行かず、まとめ買いをしようとも、急遽彼の友人がディナーに来たり、
シェーヴィングフォームがなくなった、りえこ、買ってきて!と不意の買い物で
また徒歩5分もしない距離のスーパーの買い物で、小1時間取られるのがシャクで仕方がありません。
毎日何事もなく、朝から晩まで平和に仕事に集中できるのをありがたいと思って!
彼は21時を過ぎて、私の作った食事を食べ、その後はぐったり・・・。
TVを見る間もなく、就寝。朝6時半には少なくとも出てしまうため、
翌日コーヒーを飲みながら、私は食洗機に洗い物を入れたりと
昨晩の食事の後片付けから私の朝が始まります。
来週早々、フィレンツェでのウェディングがある私は、出張こそないものの、
やはり何かと落ち着かなくなります。緊張で夜もあまりよく眠れないし、
遅刻する夢などを見て、目が覚めたり、大げさのようだけれど、
実際にウェディングを担当する人なら誰もが経験することだと思います。。。
久しぶりに週末を家で過ごせると思った私。ゆっくり過ごそう♪なんて
生易しいものではなく、どちらかというと、もう家にいなければおかしくなりそう・・・
そんな精神的状況に追い込まれていると言っても過言ではありません。
そこに土曜の夜、急にいつも遊んでいる彼の親友から「うちでご飯を食べない?」と
ご招待を受けました。最近子供ができたそのカップルとは気兼ねなく話せる仲だし、
もしうちに来てくれたり、レストランで食事をするのであれば、
なんら問題がないのですが、おうちにご招待を受けるのは、ちょっと気の遣い方が違います。
当初、今日は外で食べようか・・・と話していた私たちですが、私が家の招待を聞いて、
「私はいいや、一人で行ってきて」と言ったら、彼の顔色が変わりました。
「なんで?理由は??レストランに行けるのに、どうして彼の家だと嫌なの?」
この間、同じような状況があって、「子供モードに入れない」と言ったら
彼は無言になってしまいました。どうやらイタリアで子供が嫌というのはタブーらしい。。。
子供が嫌いなわけではない。。。決してないと思う。
実際今までも日本人やイタリア人の子供とたくさん遊んできたし、面倒もみてきて、
子供好きなんだね~~~と目を細められたこともたくさんあるし。。。
でも精神的に子供と遊ぶほど、寸分の余裕がないんだと。
人の家で、勝手にグラスを出すわけにもいかず、手伝ったほうがいい?なんて
気を遣うのも疲れる・・・。普段ではなんてことのないことが今の自分には
すごく重荷になってしまうのです。
それに日本人の子供と遊ぶのとまた言葉通じないイタリア人の子をあやすのと、
疲れ方が違うのもきっと彼にはわからないだろうな~。
でもまたそう言ったら、むっとされるだろうし。
そんなこともあって、理由を即答できませんでした。
その理由を答えられなかったことに彼が切れたのです。
なんだ、気を遣って本音を言わなくても切れられて、本音を言っても切れられるなら、
最初から言っておけばよかった。
「来週、結婚式があるの知っているでしょ?私にだって選ぶ権利はないわけ?」
「行かないことで怒っているんじゃない、理由がいえないのが気に入らない」
「即答できるほどそんなにイタリア語が堪能じゃないっ!
大体前回本音を言ったら、むっとされたでしょ?だから言葉を選んでいたんだっ」
忙しいとは心を亡くすとは良く書いたもので、本当、私たち二人は心を亡くしつつあるのかも・・・と
実感する毎日です。(とほほ)

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