ナポリの行列レストラン

こんにちは、海外ウェディングコーディネーターの林でございます。
昨年の5月にも遡りますが、ナポリに出張に行った際、
お客様とお昼をご一緒させて頂いたことがありました。
お客様がお泊りのホテルでお勧めのレストランを聞いたところ、
可でもなく、不可でもないレストランを教えてくれたのですが、
「行きたいのはそういうところではなくて、
できれば、地元の人しか行かないような隠れ家っぽいところがいいの！」と
粘ったところ、
「う～ん、いいのかな・・・、こんなところ教えちゃって・・・」と
迷いつつ教えてもらったレストラン。
あ～、すみません、本当、名前を覚えていないのですが、
ナポリのセンターのダウンタウンの狭い路地を行くと、人だかり。
え？何なに？？何かあったの？・・・・と思ったら、どうやらレストランを待つ人の列。

その列中に入っていくのもちょっと勇気が必要なくらい、体格の良いお兄さんやおじさんたち、
土曜日ということもあり家族連れもたくさんいました。
レストランのおじさんが大きな声で名前を呼んで、ぞろぞろと人が入っていく・・・。
まずは名前を登録しなくては、とそのおじさんのところへ、
文字通り、人をかきわけていきます。

とにかく日本人のように整然と並ぶこともなく、入り口の前に我れ先と
陣取るのが南イタリア。名前を登録しているんだから、
もう少し余裕を持っていればいいものを・・・、
とにかく呼ばれて入るお客一人一人を入り口でじろじろとチェックするお客たち。
やっとかきわけて、名前を呼ぶおじさんにたどり着いた私は、
名前と人数を伝えます。「名前は？」「リエコ」「あ？」「リ・エ・コ」
「？・・・。今日、お前はここではマリアだ。マリアって呼ばれたらお前のことだ」
周りも不安そうにアジア人が名前を登録できるのか心配そうに見守っていたけど、
このおじさんのアイディアに大笑い。
・・・マリアなんてたくさんいそうなんだけどなぁ・・・。
でもちゃんと呼ばれましたし、他にもマリアはいなかったよう。
雰囲気は食堂といってもいいくらい。お皿が飛んでくるような（雑な）サービス。

メニューも５皿くらいしかなかったような気がします。
「あんたたち、何すんの？」「ええええっと、XXとYYと・・・」
ちょっとオーダーするのもそのスピードについていくのが
テクニックが必要なくらいですが、それもすべてご愛嬌。
味はおいしかったですが、味そのものよりも、このレストランに入る経験をする方が
よっぽど価値のありそうなほど、味以上にお店自体が強烈な印象でした。



もちろん、食べたらすぐ出るのがこのお店のマナー。
待っている人たちの目が痛いです（笑）
そういえば、レストランを聞いたホテルでこのお店に興味を示した私たちに
ホテルの人が、改めて
「本当に、サービスが・・・っていうか、サービスっていうのかな、あれ・・・
なんて言うのかな・・・」と言い淀んでいたというか、言葉を選んでいたので、
私が「あ～、カジュアルってこと？」と聞くと、「ぃやっ、あれは失礼くらいって
言ってもいいくらいだな・・・」と言っていたのを思い出しました。
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