Jul 10 2008

ローマでのリーガルウェディングに至るまで・・・第一弾

こんにちは 海外ウェディングコーディネーターの林です。
昨日、ローマでのウェディングの写真について触れましたが、
今回はここへ至るまでの道のりをお伝えしたいと思います。
お客様からお問い合わせがあったのは昨年の師走の頃だったと思います。
モナコでのリーガルウェディングをしたい。。。が当初の問い合わせだったのですが、
リーガルウェディングとはその国の法律に従い、挙式を行うため、
国によって国民だけに認めているのか、外国人(その国にとって)に
対してもオープンにしているのか、異なります。
残念ながらモナコではリーガルウェディングは外国人には認められない、
そのため、隣国でできるところ。。。ということでご紹介したのがイタリアです。
他の隣国、フランス、スペインも前者にあたり、不可能です。
(お相手がその国の方ならまた別のお話ですが。。)
さてイタリアと言ってもさまざまな場所で挙式が可能なわけです。
もちろん今回の行ったローマ カンピドリオ、フィレンツェ ベッキオ宮殿のような
有名どころから、田舎の小さな町まで要は日本人が婚姻届を提出するように、
役所(市庁舎)があるところでしたら、どこでも可能なわけです。
そこでいわゆる有名な聞いたことあるという都市から、
とりあえず聞いたことがなくても、市庁舎に特徴がある町まで
十数個、リーガルウェディングの場所を絞り込みました。
イタリア全土で外国人のウェディングを受けてくださるのは
統一しているのですが、厄介なのは、実際必要書類や提出期限、
さらに結婚式の前に宣誓式があるのですが、その日程がどの程度
前にお二人に来て頂かなければならないのか、
そういった条件はその役所によって違うわけです。
当然、それによってお客様の選択肢も変わってくるわけです。
そのため、十数ヵ所の選択肢の中からいくつかに絞って頂き、
実際各役所へと問い合わせました。
しかしイタリア、担当者によって言うことが違ったり、
通常在イタリア大使館にて書類を揃えるのが普通なのですが、
日本人に限って、前もって日本にいながらにして書類を揃えることができるため、
ローカルウェディングコーディネーターの言うことも
日本人のケースに限って、当てはまるわけでもなく、
それぞれの役所に電話やインターネット、さらには
直接訪問して話を聞くなどして、情報を集めました。
最終的にお二人のご希望されたローマ市庁舎
カンピドリオでの挙式の条件は下記の通りでした。
(2008年5月遂行)
・カンピドリオでの挙式は土日のみ開放
(カラカラ浴場では平日可能)
・予約時に書類が全て揃っていなければならない
また予約時に本人でなくても代理者(例えば私)が
書類をローマに持参しなければならない
この二つの条件、さすがローマ大御所、条件がきついのです。
というのも、イタリア在住のイタリア人(要は一般のイタリア人)にとっては
さほど難しくないこの条件ですが、日本人にとってはすごく難しい。
なぜかというと、イタリアに在住していない限り、
在イタリア日本大使館では本人以外書類を取り寄せることができないわけですから、
お二人は予約のためにイタリアへ来るか、
もしくは日本のご自身の役所で取り寄せた書類を
日本でイタリア語に訳して、それをイタリアに送ってもらい、代理人が持参。
ただし、日本で発行したその書類が正しいかどうかを外務省で判断し、
アポスティーユを発行してもらわなければならい。
さらにはその書類をイタリア語に訳してもらう。
ただし、イタリア大使館お墨付きの翻訳者限定で、その翻訳が可能。
翻訳するのに2週間、イタリア大使館でこの書類が正しいかどうかの
判断をするのに2週間。時間ももちろんですが、コストだって10万円とかかります。
そしてイタリア人にとっても5月は憧れの結婚シーズン。
当然ゲストの都合も考え、日本と同様、土日挙式はイタリア人にも人気があります。
ちなみにイタリア人が母国で結婚するためには日本の婚姻届を提出するような
シンプルな手続きではなく、役所でセレモニーをしなければなりません。(もしくは教会)
恐らく、婚姻届のような簡単なシステムは日本以外ないのかもしれません。
そのため、別にセレモニーなんて望んでないイタリア人でも
当然その手続きが必要で、どうせセレモニーをやるなら、
家族や友人も呼ぼうということで、土日の人気度がグンとアップするというわけです。
というわけで、ローマのカンピドリオでの挙式を望むと、
予約をゲットするのに一般にイタリアに住むイタリア人が競争相手です。
イタリア人は地元の役所に行って、自分の書類を取り寄せれば
当然イタリア語で表記されていて、アポスティーユも大使館の
お墨付きもいらないわけですから、至極簡単。
結果、日本人はイタリア人と同じステージに立つためには、
10万のお金を払い、書類が揃うまで1ヶ月待たなければなりません。
そして、その書類が揃ったからと言って、10万円を払ったからと言って、
予約を取れる保障がないのです。
もちろん他の市庁舎での挙式を選択肢に入れる方や他の日程を考慮できる
方なら、
その書類と10万円が日の目を見ることができる可能性がグンと高くなりますが、
今回のお客様は日程がずらせなかったことと
(この週がダメなら、翌週の土日などにずらすとなると、旅行全体が1週間ずれてしまうわけです)
ローマカンピドリオ指定だったので、この悪条件を受け入れるか否かになってしまうわけです。
元々市庁舎はビジネスで行っているわけではないので、ローマ市庁舎の制度を
ローマ市の税金を払っていない日本人がお邪魔するという考えもできるわけですから、
致し方がないのかもしれませんが、いずれにしても難題山積みです。
この続きはまた明日。。。

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